パルテノンの世界 その建築システムの復元的考察
世界の建築史上、永遠の規範であり、西欧文明の象徴的頂点に位置するパルテノン神殿は、古来より黄金比プロポーションの完璧な原型とまで讃えられてきた。本書は、その偶像的建築形態に対し、実地調査による欧米の学界を驚かす様々な発見・知見を実証し、従来のパルテノン神殿解釈に対し、認識を新たにする瞠目すべき数々の貢献を提示した。
■目次
・序説
・第1章 ドリス式オーダーの象徴性
ドリス式オーダーの起源/ペディメント/ミューチュール/トリグリフ/
タエニアとレグラ/アーキトレーブと円柱
・第2章 イオニア式装飾の象徴
イオニア式装飾の起源/メアンダー(雷文)/繰形と彫琢
雷現象のイメージ/歯形飾り
・第3章 パルテノンの多彩装飾
塗色の顔料/色彩の象徴性/配色のシステム
・第4章 パルテノンの採光
天井の問題/屋根瓦の形状/大理石試料の特性/透光性に関する実験/
神室の採光の再現
・第5章 アテナ信仰とパルテノン
アテナの木彫祭神像/アテナ・ポトニア/アテナ・ポリアス/パラス・アテナ
アテナ・パルテノス/処女の部屋としてのパルテノン
・註
・付録
・引用文献
・あとがき
著者:池浩三
出版社:中央公論美術出版
サイズ:B5
ページ数:193
発行年:2008.11
