寝殿造の空間と儀式

本書は、「寝殿造」と儀式の関わりを研究する著者の研究の集大成であり、住まいに関する貴族の日記や部類記が多く残る11-12世紀を中心に、「寝殿造」の歴史像と空間的特質などを明らかにし、儀式の内容や列席者や儀式の舞台の変遷が、貴族の社会体制と秩序の変化に起因することを詳細に論ずる。また、文献史料に遺される平面指図に文字史料、絵画史料や現存する同時代の社寺建築を参考に復原研究を試み、史料をより正確に反映させ、先行研究の誤謬を正す平面的・立体的な新しい復原案を提示する。

■目次

・はじめに　寝殿造の空間的特質

・第一章　寝殿造の空間とその機能

・第二章　東三条殿復原図の再検討

・第三章　東三条殿と儀式

・第四章　法住寺殿の研究

・第五章　寝殿造の歴史像

・第六章　寝殿造から書院造へ

・おわりに　儀礼・空間・秩序

・初出一覧

・あとがき

・索引