近代建築は何を創ったか 生活の場としての建築
本書の著者は、ライト、ル・コルビュジエ、アスプルンドなど近代建築を造型した俊英たちの著作を、永年にわたり良質かつ純度の高い芸術的筆致で我が邦語にもたらした業績で知られる。「地中海精神の幾何学的造型」から「生活の場の芸術としての建築」や「自然と人間の調和的対応」など、多彩な創造性の真意を現代に知らしめてきた心意が、著者自身の心優しく叡智溢れる言葉で語られる。また、永年様々な媒体に記してきたエッセイや文章を収録している。
■目次
・まえがき
・I 二十世紀の近代建築は何を創ったか
建築絵本 近代建築は何を創ったか
幾何学的抽象と有機的思考 コルビュジエとライト
北欧の感性 自然と人間からの発想
・II 日本の感性
遠藤新の建築と言葉/吉田鉄郎の住宅
レーモンドさんの建築と日本の建築
日本の建築家アントニン・レーモンド
「レーモンド・スタイル」再見
・III
身のまわりの芸術/本を読むこと 学ばざるを学びて
山・文明・放牧/子供と自然環境/焚き火と暖炉
山歩きと山小屋/松高(旧制松本高等学校)は何であったか
小さな家/方寸の画中に格闘/「ムチャ」と「薬」
生田勉先生と建築/武藤章さんを悼む
天野太郎さんのこと/フィンランド讃
ヘルシンキ駅とエリエル・サーリネン
シルツ『白い机』を読む/一息入れませんか 椅子の絵本と読本
私の訳した本/柿生の家
・あとがき
著者:樋口清
出版社:中央公論美術出版
サイズ:A5
ページ数:208
発行年:2014.06
