近世・近代の歴史意識と建築
近世・近代の日本において過去の建築に対してどのような関心が向けられていたのか、またどのような知識が形
成されていったのか、建築を建てる、見るという行為において歴史意識がどのようにあらわれるのかを、国学者
・有職故実家などの学者や知識人の動向を中心に検討する。明治30年代に成立した学問領域である日本建築史学
であるが、その成立以前の様態および日本建築史学への連続・断絶の様相を解明する。
■目次
・序章
・第一部 伊勢神宮における殿舎の復古と考証
第一章 慶安・寛文期の殿舎再興における儀式張の役割
第二章 近世中期における殿舎の考証とその意義
第三章 近代の式年遷宮における造営体制の変化と考証
・第二部 有職故実における公家・武家邸宅像
第四章 「家屋雑考」の流布と「寝殿造」定着過程
第五章 近世における過去の武家邸宅像について
第六章 明治期における過去の武家邸宅像について
第七章 有職故実松岡行義の邸宅に関する知識について
・第三部 秀吉をめぐる建築と由緒
第九章 十八世紀における聚楽第・伏見城・豊国社遺構説
・終章
著者:加藤悠希
出版社:中央公論美術出版
サイズ:A5
ページ数:304
発行年:2015.01
