ゴシックとは何か 八世紀にわたる西欧の自問
本書はゴシック芸術の創始である12世紀のサン・ドニ修道院長シュジェールから現代までの800年に亘るゴシック史料を、碩学が丹念に読み解いて編纂し、その基本原理にかかわる評価や注解を集成した、単なる文献集とは異なる一大資料集である。先に刊行した同著者の『ゴシック建築大成』は全ヨーロッパの450年に亘るゴシック建築の個別構造を詳細に明らかにしたが、本書ではその800年間に遺された個別の歴史史料を網羅し考察・分析を加えて徹底的に史料批判し、ここに遺構と史料の双方あいまってのゴシック研究を完結させた。西欧の精神がこのヨーロッパ美術史上、最大の芸術現象に対峙して答え、寄与した思想史上、偉大な業績の公刊である。
■目次
・第一章 ゴシック時代の資料
・第二章 ゴシックに対する反抗期
・第三章 ゴシックにむかう転換期
・第四章 科学的傾向
・第五章 科学的学問としての芸術研究
・第六章 問題の枝分れ
・第七章 本質的原理の追究
著者:
出版社:中央公論美術出版
サイズ:B5
ページ数:1030
発行年:2016.06
