古代寺院僧房の研究 鈴木嘉吉建築史論集
日本古代仏教建築史研究における泰斗、鈴木嘉吉博士の初の論集全2巻の第1冊。本巻は寺院における諸行法や参籠を行うための僧の住居である僧房に研究対象をしぼり、元興寺極楽坊本堂・禅室、法隆寺聖霊院・東室、唐招提寺礼堂、東大寺二月堂、薬師寺僧房など、国宝・重文の名刹の解体修理に実地に携わった得難い経験から、様々に変容した諸堂の遺構を考古学的・建築史学的に当初の形態に復原し、同時に多くの図面と図版を掲げて新たな知見や発見を加えながら、徹底した古建築の検視を実施することで、後世、寝殿造や書院造に発展する日本建築の大きな筋道とともに重要な、当時、その形態の多くが不明であった、古代の住宅の実体を解明した記念碑的業績である。
■目次
・遺構の復原を主とした奈良時代僧房の研究
序言
第一章 元興寺僧房の復原的考察
第二章 旧元興寺僧房構造の復原
第三章 旧元興寺僧房間取及び造作の復原
第四章 元興寺極楽房全室平面の復原
第五章 法隆寺東室の復原的考察
第六章 現存するその他の僧房建築
第七章 遺跡・古記録等から知られる僧房の配置と平面
総括
・南都古寺の僧房建築
元興寺極楽房本堂(国堂)
元興寺極楽房禅室(国宝)
法隆寺聖霊院(国宝)
法隆寺東室(国宝)
法隆寺妻室(重要文化財)
法隆寺三経院及び西室(国宝)
唐招提寺礼堂(重要文化財)
薬師寺僧房(遺跡)
・僧房概説
僧房の生活
古代の僧房とその発展
僧房と経蔵
著者:鈴木嘉吉
出版社:中央公論美術出版
サイズ:B5
ページ数:420
発行年:2016.04
