
近現代建築史論 ゼムパーの被覆/様式からの考察
19世紀ドイツの建築家ゼムパーの思想には、建築を部分的に変化させるのではなく、現象として見える像の全体を変えてしまうほどの力がある。この場合、「現象として見える像の全体」とは様式に他ならず、それは新様式創生論とも言えるであろう。本書はその様式の本質と、わが国を初め現代建築への多大な影響を論じる。
■目次
・まえがき
近現代建築史の三つのピーク、十九世紀、十九世紀末、そして現在
・ゼムパー建築論の前史
・『覚書』に描かれる表面の美、ポリクロミー
・1830年前後、歴史主義の現れ 芸術と装飾の復興
・始原への探究
・建築の四要素
・科学・産業・芸術
・様式と被覆 ロンドン講義第一回を中心に
・装飾と被覆
・ウィーンの十九世紀建築と歴史主義
・オットー・ヴァーグナーの「近代建築」と被覆
・被覆/サーフェス アドルフ・ロースから現在まで
著者:川向正人
出版社:中央公論美術出版
サイズ:A5
ページ数:296
発行年:2017.04