すぐわかる日本庭園の見かた
イラストによる庭園俯瞰図と写真で、奈良時代から明治時代以降まで各時代の特徴をあらわした17の代表的日本庭園を紹介。伝統的造園技術に精通する執筆陣ならではの視点からその歴史や作庭のねらい、庭の構成および観賞のポイントを解説。
■目次
・はじめに
・第1章 飛鳥・奈良~平安時代 概説 「庭」の発祥から「自然風景式庭園」へ
平城宮東院庭園 よみがえった奈良時代の宮廷庭園
平等院庭園 極楽浄土の世界をあらわす
毛越寺庭園 奥州藤原氏が営んだ壮麗な仏教文化
(庭をみる 1 水)さまざまな水の意匠
・第2章 鎌倉~室町時代 概説 書院造庭園・石庭・回遊園路の誕生
天龍時庭園 嵐山を借景とする勇壮な池庭
慈照寺(銀閣寺)庭園 足利義政が造営に心血をそそいだ山荘
大徳寺大仙院書院庭園 水墨画の山水を具現した庭
常栄寺庭園 水墨山水画のたたずまいをみせる雪舟庭
一乗谷朝倉氏遺跡庭園 戦国時代の栄華をしのばせる豪壮な石組
(庭をみる 2 木)永続的な創作行為
・第3章 桃山~江戸時代 概説 庭園文化の変遷と普及
醍醐寺三宝院庭園 現代によみがえった天下人の庭
武者小路千家 官休庵露地「市中の山居」 伝い、いざなう空間
大徳寺孤篷庵庭園 武家文化・茶の湯文化・禅文化の融合空間
桂離宮庭園 船でめぐり王朝文化を思慕する
小石川後楽園 大名による庭園文化の開花-大名庭園の先駆的存在
識名園 のびやかな王宮庭園の世界-琉球の世界文化遺産
(庭をみる 3 景物)庭を演出する石造品
・第4章 明治次第以降 概説 自然風から永遠のモダンへ
無鄰菴庭園 新しい時代の息吹を感じさせる近代庭園の祖
三渓園 雄大な空間構成の中に孤建築を巧みに配した近代数寄者の庭
東福寺庭園「方丈八相庭」 永遠のモダンを追求した重森三玲の代表作
(庭をみる) 4 石 庭石の好みと時代性
・Column
新羅「雁鴨池」にみる東アジア庭園文化の融合
浄土変相と浄土庭園/寝殿造庭園/自然環境と禅寺の庭
同朋衆の芸術観と作庭/様々な姿形の南庭
伝某作庭の庭が多く存在する理由/室礼による空間芸術を生み出した会所
醍醐の花見/季節感は茶室内のしつらえで/小堀遠州の多彩な交友圏
寛永文化と庭園意匠 時代の美意識/庭園を舞台とする演劇的遊興の流行
本土から伝播した作庭技術・庭園文化
京都の近代化を象徴する琵琶湖疏水と植治/近代数寄者と煎茶
重森三玲の美意識の原点
・庭園用語集
著者:尼崎博正、仲隆裕、今江秀史、町田香
出版社:東京美術
サイズ:A5
ページ数:143
発行年:2009.09
