
もっと知りたいウィリアム・モリスとアーツ&クラフツ
生活と芸術の調和をめざした先駆者たちの、美しき夢の軌跡を追う
19世紀、産業革命まっただ中のイギリスにおいて、機械による大量生産ではなく、手仕事の魅力を訴え、装飾芸術の新たな地平を拓いた「近代デザインの創始者」モリスとその仲間たちによる美しいデザインを中心に、彼らの理念を受け継いだ芸術運動「アーツ&クラフツ」の世界的な広がりまでを追った、盛りだくさんの内容です。
◆幅広いジャンルを網羅。
壁紙、テキスタイルはもとより、絵画、ステンドグラス、家具やタイル、本の装幀など、モリスらの幅広い活躍を豊富な図版で紹介。作品のどれをとっても、彼らの「もの」づくりへの徹底したこだわりがうかがえます。
◆巨人モリスの全体像が浮かび上がる。
妻ジェインをめぐる画家ロセッティとの三角関係の苦悩や、詩人・文学者・思想家としての精力的な活動、社会的関心、自然や伝統芸術への共感など、モリスの全体像を知るコラムを随所に盛り込み、深みと奥行きのあるデザインが生まれた背景に迫りました。
◆19世紀以降の芸術運動の流れがわかる。
モリスの思想と活動に導かれて始まった芸術運動が、アーツ&クラフツ運動を経て、以降の革新的芸術運動にどのような影響を及ぼしたか、著者独自の視点で解説。近代美術史の流れが一望できます。
■目次
・はじめに 民衆の芸術を追究し芸術の新たな地平を開拓したモリス
・第1章 若きモリスとアーツ&クラフツ前史─良き仲間たちとの出会い
・第2章 生活に美と創造の喜びを─商会設立から改組まで
・第3章 理想の社会をめざして─環境保護運動への展開と社会主義
・第4章 十人分を生きた晩年─アーツ&クラフツとケルムスコット・プレス
・第5章 アーツ&クラフツ運動の広がり─ロンドン発の穏やかな世界革命とその理念
・おわりに アーツ&クラフツ運動の歴史的位置づけ
著者:藤田治彦
出版社:東京美術
サイズ:B5
ページ数:80
発行年:2009.01