
街歩きと都市の様相 空間体験の全体性を読み解く
街角を曲がって感じる、突然の開放感や懐かしさ、爽やかな風ーこうした街の雰囲気や居心地はどのように生起するのか。建物の高さや日射、交通量といった数値計測では捉えられない都市の質的な側面を、本書は<様相>、すなわち音や匂い、印象などを含んだ空間の全体性として考える。ではどうすればそれを可視化できるのか。多くの人が同じ<経路>を歩く中で捉えた、印象が変わったと感じる<変化点>の言葉を分析することで、都市内の諸要素が心にもたらす意味を明らかにするとともに、街づくりの実践に貢献するフィールドワークや地図制作の方法論を提案する。
■目次
・序論:街歩きと都市の様相
・第I部 理論
街歩き体験についての研究方法論
都市の様相論
・第II部 実験
経路歩行実験
記述・分析1 空間的経路と様相
・コラム1 映像による様相の記述
記述・分析2 都市構造と様相
・コラム2 地形と街路構造
・コラム3 街路構成の定量化
記述・分析3 記憶と様相
・第III部 実践
街歩きフィールドワーク
・コラム4 「ストリートビュー」によるフィールドワーク
都市の様相を地図にする
結論:複雑な現象の全体性と向き合う
著者:北雄介
出版社:京都大学学術出版会
サイズ:A5
ページ数:290
発行年:2023.03