
評伝・西山夘三 20世紀の「すまい」を創った建築家
せまく密集した日本の住宅を分析し、「食寝分離論」で生活の風景を一変させた建築家・西山夘三。戦後復興、高度成長──発展の夢に酔いしれた時代のなか、その波に翻弄されながらも、建築の巨人が生涯をかけて考えつづけたグランドデザインと生活のリアル。彼が探し続けた「すまい」とは、そして、「街」は、今になにを残したか? 街を描くよろこびと、その苦悩を詰め込んだ大著。
■目次
・まえがき
・第I部 戦前戦中期──すまいの研究者を目指して
序章 生涯にわたる六冊の自伝 自伝執筆が物語るもの
第1章 西山の離陸、三高から京都帝大へ
第2章 近代建築運動を生み出した工業社会
第3章 住宅調査に基づく研究方法論
第4章 戦時社会政策と総力戦体制
第5章 戦時社会政策の虚構
・第II部 戦後復興期──戦後の混乱の中で
第1章 終戦を迎えて
第2章 京都は〝非戦災都市〟だったのか
第3章 京大職組初代委員長として
第4章 波乱に満ちた新日本建築家集団(NAU)の結成
第5章 民主主義科学者協会(民科)と国民的建築学
・第III部 高度成長期以降──高度経済成長の波に抗して
第1章 調査研究から計画立案へ
第2章 高度経済成長と国土計画の時代
第3章 京都計画1964が意味するもの
第4章 新全総が破綻、総点検作業へ
第5章 まちづくり運動への参加の中で
終章 西山は二〇世紀をどう生きたか
・あとがき
・索引
著者:広原盛明
出版社:京都大学学術出版会
サイズ:A5
ページ数:512
発行年:2023.09