寺社の装飾彫刻 北海道・東北・北陸編
シリーズ第6冊目。本書は北日本の作品を北海道・青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島・新潟・富山・石川・福井の100寺社から装飾彫刻作品を約800枚に及ぶ大小カラー写真で紹介する。
北海道地方は、松前周辺には15世紀中頃から本州の棟梁が携わって寺社が建てられ、彫刻を残した。開拓が進むと道内にも布教が広がり寺社建築が建てられた。東北地方は、各県それぞれ特徴があり、宮城の仙台藩、青森の弘前藩などは京都から桃山建築の棟梁を呼び見事な寺社や霊廟を建立した。岩手には気仙大工たちによる作品が残る。秋田や山形には屋根を支えるユニークな力士像が数多くあり、そのルーツや伝播、形体など今後の研究調査が興味深い。福島は関東の影響を受け、江戸の後藤流の作品と地元彫刻師の作品とが渾然としている。北陸地方は、新潟越後の今年生誕200年の石川雲蝶や小林源太郎の見事な作品、村上や柏崎の大工集団による作品、上越にも優れた彫刻師の作品などが数多く残る。富山では彫刻の町井波の彫刻師たちによる多種多彩な作品、石川では加賀大工、福井では永平寺の門前大工たちの活躍が見られた。本書はその逸品を紹介する貴重な労作。
著者:
出版社:日貿出版社
サイズ:B5変
ページ数:207
発行年:2014.01
