コンクリートの新知見 ひび割れトラブル完全克服法
コンクリートのひび割れは、漏水やタイルの落下と並んで建築界の3大トラブルと言われ、建築主からのクレームが跡を絶ちません。設計者や施工者にとっては頭の痛い切実な問題です。本書は、日経アーキテクチュア誌上で2年間にわたって連載し、好評を博した内容を1冊にまとめたもので、ひび割れを抑えるための効果的な対処法を、発生メカニズムに基いて解説しています。ひび割れが発生しやすい場所はどこか。1年を通じて、ひび割れが発生しやすい季節はいつか。ひび割れリスクを抑えるには、どんな方法が効くのか。建築実務者に役立つ情報が満載です。
■目次
・CHAPTER 1 ひび割れ対策は、本数と幅の制御が基本
建築主の理解得ながら有害なひび割れを制御
ひび割れ対策は本数と幅に分けて対処
有害なひび割れを仕上げ材でカバー
ひび割れ幅の抑制は鉄筋比増大が決め手
長過ぎる養生はかえって逆効果?
ひび割れの幅は打設前に予測できる
・CHAPTER 2 誘発目地が効かない? 理由と対策を徹底解説
目地を設けたのに失敗した理由とは
・CHAPTER 3 かぶり厚さの確保は、品質維持の生命線
かぶり厚さの確保がさび防止に効く理由
標準仕様の施工でもかぶりの不良が発生
かぶり不足の補修材は防火性と耐久性で選ぶ
・CHAPTER 4 リスクを左右する生コンの乾燥収縮率
骨材の収縮に要注意、乾燥ひび割れを助長
工場で異なる生コンの品質、適材適所で賢く使い分け
JISマークがなくても採用できる生コンがある
・CHAPTER 5 床スラブはひび割れ多発箇所
完全には防げない床スラブのひび割れ
甘く見るとケガのもと、土間床の施工は慎重に
コンクリートこぼれ話(1)
・CHAPTER 6 誤解だらけの温度ひび割れ対策
温度ひび割れは温度低下時に注意
セメント量を削減しても温度ひび割れに効果なし
コンクリートこぼれ話(2)
・CHAPTER 7 悪条件が重なる夏の打設に要注意
夏冬間の気温低下で温度ひび割れが発生
施工季節を誤ると「後打ち帯」は逆効果
コンクリートこぼれ話(3)
・CHAPTER 8 環境に優しい高炉セメントを利用
環境に配慮するなら高炉セメントの検討を
・CHAPTER 9 選択肢が広い混和剤、適材適所で有効活用
過剰な期待は禁物、膨張材を賢く利用
高コストでも効果大、収縮低減剤を利用
目地なしでもひび割れなし、無収縮コンクリートの威力
コンクリートこぼれ話(4)
対談 厳しい目向ける発注者、専門家は十分な説明を
金箱温春×閑田徹志
資料編
索引
著者:閑田徹志(鹿島技術研究所)
出版社:日経BP
サイズ:A4
ページ数:154
発行年:2015.08
