なぜぼくが新国立競技場をつくるのか 建築家・隈研吾の覚悟
たとえ批判されても、これからの時代のために、建築をつくる。新国立競技場を設計する建築家・隈研吾が、決意を語る。建設予算の高騰、「景観破壊」批判などにより、ザハ・ハディド案が白紙撤回となり、再コンペの結果、隈研吾が参加するプランが選ばれた。「火中の栗」を拾った隈研吾のもとには、新プランへの様々な意見が寄せられている。中には、日本の建築界を引っ張ってきた先輩建築家からの、思いもよらない批判もある。だが、それでも、図面を引く。批判を受け止め、先に進むために。コンクリートで作られた、スター建築家による「アート作品」ではなく、人々が集い、愛される、「木のスタジアム」を作るために。日本を襲った震災、そして、社会のギスギスした空気。「建築」そのものに対する強い風当たり。あらゆるものを引き受ける意思はどこから来たのか。なぜ今、「木の建築」なのか。余すことなく語る。
■目次
・第1章 逆風のなか、新国立競技場をつくる
・第2章 木の建築だからできる「偉大なる平凡」
・第3章 都市のさまざまな矛盾を引き受ける
・第4章 「辺境」の日本から理屈を超えた建築を
・第5章 先輩の仕事を引き継ぐ 大成建設 山内隆司会長
・第6章 黒子として支える 梓設計 杉谷文彦社長
・第7章 都市の祝祭性と建築 対談・茂木健一郎
著者:隈研吾
出版社:日経BP
サイズ:四六
ページ数:210
発行年:2016.05
