NA選書 建築法規の新常識
2005年の姉歯事件に始まる建築法規の大改正、建築訴訟での設計者への厳しい判決など、設計者に責任が重くのしかかる今、実務者が訴訟やトラブルを避けるために気をつける点、改正後の変更ポイントなど、過去の判例を基に解説。
■目次
・CHAPTER 1 前代未聞の愚行、地に落ちた信頼
想定外の犯罪を防げず/入力値を操作して応力低減/同一寸法の柱や梁を各階に
広がる事件の波紋/識者はどう見る?
・CHAPTER 2 拡大する被害、建築界は大混乱
政府は支援策、国会は証人喚問/大手ゼネコンや性能評価絡みも
即座に見抜けない手口も
・CHAPTER 3 国土交通省が、法制度の見直しへ
国交省が制度改正へ着手/偽造解明へカギ握る総研の役割
大型型枠工法でコスト削減/建物自体を検証、施工にも疑念
・CHAPTER 4 厳しくなった確認・検査
建築確認・検査を厳格化/適合性判定で審査が延びる
設計図書の不備はご法度/計算プロセスの検証法をルール化
・CHAPTER 5 6.20大改正で、建築確認が大渋滞
確認の停滞で着工が急減/統計の裏にある不都合な真実/事務所運営の資金繰りも悪化
中小規模の民間機関に淘汰の波/「ここまでひどいとは」判定員は苦脳
大臣認定プログラムの落とし穴/鉄骨ファブの経営にも打撃/「脱標準」には責任を持て
適判ははピアチェックの趣旨と違う/「厳格化」か「円滑化」で迷走
・CHAPTER 6 拡大する建築不況、発注者に募る怒り
施主は工期遅れに怒り心頭/実体経済に深刻な影響/解決策の早急な実行を
・CHAPTER 7 つぎはぎの改正で、制度疲労が顕著に
「木の城」陥落、消費者の夢砕く/改正法対策で建築界は疲弊
階数偽装の発注責任問えず/自己規律なくして建築の自由なし
・CHAPTER 8 試験制度が激変、実務経験の範囲限定
ハードル上がる建築士試験/資格維持には継続的な学習を/法適合性証明ないと申請不可
重要事項説明を義務付ける/実務者の不安が現実になると、、、/保険制度の導入には重装備で
・CHAPTER 9 利益源から脱却、生き残り策を模索
7割弱が「法改正で利益減」/行政の指摘を共有、手戻り減る/チェックの前倒しで変更防ぐ
・CHAPTER 10 もはや破裂寸前、賠償保険が危ない
数字の書き間違いで1億円賠償/単純ミスの支払いが増加/構造設計に特化した制度を創設
建築設備の複合トラブルが増加/住宅保険は施主を守れぬ恐れ
建築主事/までも保険頼り/対談・保険はもろ刃の剣
・CHAPTER 10 厳しい判決続々、設計者受難の時代
「将来の危険も瑕疵」の波紋/浦安液状化で訴訟ドミノ
軽微な傾きでも建え替え命じる/日本ERIなどに14億円賠償命令
著者:日経アーキテクチュア
出版社:日経BP社
サイズ:B5
ページ数:233
発行年:2012.06
