フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎
1974年夏、草森紳一は親交深い写真家・大倉舜二をともなって、アメリカはオクラホマを皮切りに、フランク・ロイド・ライトの「有機建築」の概念から、自然・魔法・神秘思想と近代建築のミッシング・リンクを探る旅へ出た。その10年後1984年から1年間に渡り、建築専門誌「SD」誌上でライトの建築を巡る「内的な旅」の軌跡を綴ったものをまとめたものが本書。自在に飛びまわる草森の自由な発想が、時間も空間も飛び越えて、幻視の旅へ読者を誘う、摩訶不思議な建築論。草森一流の謎解きの「見立て」が冴えわたる!
■目次
・序 有機の魔法
・第1章 有機建築の魔法
岡倉天心とライトと老子と
もう一度、天心とライトと老子と
ソーローの森、ライトの森
大霊的建築
・第2章 神秘思想とライトの予言
呪縛の目、呪物としての室外彫刻
抽象のオカルト-モンドリアンとライト
魔術師グルジェフとの出会い
ゴシック精神のリバイバル
・第3章 光と影の呪術空間
壊れた魔法円
薄暗がりの窓ガラス
ロマンチシズムの洞窟
ユニティ(単一性)の神秘
・追悼文的・跋「ライト・ツアー」 大倉舜二
著者:草森紳一、大倉舜二
出版社:フィルムアート社
サイズ:A5変
ページ数:287
発行年:2009.07
