
メディア地質学 ごみ・鉱物・テクノロジーから人新世のメディア環境を考える
人類は石油を掘り
スマホは化石になる
物質という視点や長大な時間から現代のメディア状況を捉え直す、気鋭の研究者によるハードでドライなメディア文化論。
本書では人間的なスケールから逸脱する巨視的・微視的な時空間からメディアテクノロジーの物質性を読み解くことで、メディア文化・地球・人間を貫く奇妙な関係を浮かび上がらせる。化石や元素といった地球由来の要素を利用したテクノロジーは、陳腐化してごみとなり、やがて地球へと回帰し、新たな「地球」を形づくっていく・・その途上にある「今」をどのように考えられるのか。本書はメディアテクノロジーを条件として「現在」に圧縮される過去と未来、そして迫り来る新たな「人間」と「自然」を探究する。メディア研究の若き旗手の一人である著者による、人新世のためのメディア論に必須の一冊。
■目次
日本語版への序文
序文
第1章 物質性 メディアと文化の土台
第2章 オルタナティヴなメディアの深い時間
第3章 テクノロジーと心理地球物理学
第4章 塵埃と消耗する生
第5章 未来の化石
おわりに いわゆる自然
補遺 ゾンビメディア メディア考古学をサーキットベンディングしてアートの手法にする
著者:ユッシ・パリッカ、太田純貴
出版社:フィルムアート
サイズ:四六
ページ数:352
発行年:2023.01