貨幣・緑・壁 集住再生の論理と倫理
持続可能で住み手に幸せを与える居住環境とは何か? 日本でも注目を集める集住再生を、欧米とアジアの豊富な事例をもとに紹介する。集住の歴史から、再生の現状と課題、未来へ向けての価値観の転換までを幅広い視点から論じる。
■目次
I. 集合住宅という設え
1.集合住宅/団地の計画史
集合住宅という設え
集合住宅の計画史 欧米での計画史
日本の計画史
2.さまざまなユートピア
ショーの理想都市/ユートピア/明日の田園都市
人口300万人の理想都市/輝く都市
3.解体/集合住宅モダニズム
ユニテ・ダビタシオン ビルメミア
カルチェ・デ・ゼタジュニ ワングサ・マジュ
オランダモダニズム集合住宅
円形集合住宅
集合住宅の未来への挑戦
4.スラムはディストピアか? 「幸せ」な居住環境とは
未来はディストピアか
「スラム化」と「スラム」
タイのスラム
インドネシアのスラム
メキシコ・シティの「落下傘部隊」
・column 1 建築家なき集住
II. 集住再生の現場を歩く
1.今、なぜ再生か
再生の意味/住宅事情の変化/今、なぜ再生か/貨幣・緑・壁
2.再生とは何か
「冬ソナ」にみる「存在の再生」/再生のレベル
リノベーションのボキャブラリ
再生の三つの取り組み
3.世界団地再生事情
欧米 貨幣・緑・壁の実践
ドイツに学ぶ
オランダ・ビルメミア モダニズムの挫折からの団地再生
アジア 固有の文化を踏まえた再生
韓国 大規模再生の進展と課題
マレーシア 土地に根ざした改造
シンガポール インフィルは住民が整備
「幸せ」を維持し、構築する再生
column2 デルフト工科大学(TU Delft)での経験
III. 再生の課題
1.再生工事上の課題と合意形成
再生は難しい?!
再生工事上の課題
合意形成とは
合意形成に対する合意
潜在的な再生希望の抽出
2.公共主体の役割
トリックスターとしての建築家
再生における公共主体の役割
公共主体による費用負担の事例
わが国における公共主体の役割の方向性
居住者の役割
リノベーションからイノベーションへ
著者:村上心
出版社:建築ジャーナル
サイズ:B5
ページ数:151
発行年:2014.06
