建築について話してみよう
「ウィークエンドハウス」では室内の三つの光庭が外の風景を取り込み、「船橋アパートメント」ではワンルームをスリールーム構成の住戸とし、「森山邸」では大小異なるボリューム10棟を離しながらランダムに集合させた。今注目を浴びる著者初めての単行本。
■目次
・ぼくが建築家になった理由(聞き手・梅本洋一)
・1 なにか町全体がそういう、非常に獰猛な建築群を放し飼いにしている、一種のサファリパークのような迫力のある都市だった。
ローマの話/新聞の話/オランダの話/東京の話
・2 自分が動くと、実物の仕上げのほうは動かないにしても、緑のほうは一緒にゆっくりと移動して、さらに向こうのガラスの映像も動き始める。
ウィークエンドハウスについて/空間の連続性をつくり出したい(聞き手・安田光男)/柔らかい図形/船橋アパートメントについて
・3 森山邸の「透明でバラバラな状態」という建物の原則は、閉鎖的空間に対して提案されたものというよりも、より開放的な社会、地域に向けての提案として考えた。
建物の創造的な原則について/建物の気配をいかに環境化するか
・4 模型と平面図が世界の全体像を決めていたといってもいい。しかし金沢21世紀美術館ではそれを越えて、建物の外まで含まれるような風景を考えるようになっていった。
原則をつくる-構造、平面、関係性、風景/「金沢21世紀美術館」について(妹島和世・西沢立衛)/透明感と都市の風景(妹島和世・西沢立衛)/明るく透明で柔らかい空間/アートによって町を再生する試み 十和田市現代美術館をめぐって
・5 日本の住宅というのは基本的に、外観が無いような気がする。無いというと極端だが、なんというか建物の外装デザインが、たいへん希薄だ。
ミースについて/モデュロール・マン/中野本町の家/シザの建物の魅力のいくつかについて/透明な住宅/空港と都市/歴史がどういう局面でぼくの中に現れるか
・建築の発想について
著者:西沢立衛
出版社:王国社
サイズ:四六
ページ数:220
発行年:2007.10
