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建築のちから

セール価格 2,090円(税込)

建築家として、土木(社会基盤)の教授として、この間「島根県芸術文化センター」から「日向市駅」「高知駅」まで、ふたつのジャンルにまたがる息の長い仕事をしてきた内藤廣が「建築家は勇気を持って建築のちからを見出し、価値を問い直し、無数の人びとに望むところに目を向けるときではないか」と投げかける。

写真図版も掲載。

いま基本にたちもどって- 建築に何が可能か。

我々は建物の完成や品質や作品性にこだわりすぎていないか。建築の本懐はその誕生ではなく、時代と共に生きていく時間の中にこそあるはずではないか。渾身の問題提起の書。(帯オモテ)

どのような建物にも、「建築の力」は内在するはずだ。それを見出し、価値を問い直し、無数の人びとの望むところへ向けて行使すべきだ。そこに生まれるはずの何ものにも代え難い歓びは、名誉や自己満足や経済を超えて、建築家が設計に込めた努力に報いるはずだ。(本文より)

■目次

・1章 建築のちからをめぐって

 建築の力 地球の裏側から考える

 建築に何が可能か 三十五年目の建築論

 反時代的考察

 インナースケープを探して

 川の流れと風の流れ

 身体感覚だけでつくる

 「施主道のようなものについて」雅樂倶顛末記

 異なる価値があたりまえのように併存すること

 伝統、思考、場所、時間、空間、今

 密やかで過激な試み

 街と共にあること/日常生活の場

 既存部に負担をかけない自立した構造体をつくる

 意図的に無為であること

・第2章 建築の広がりをめぐって

 都市戦略としてのデザイン

 都市再生は駅再生から

 これがほんとの悪戦苦闘、日向物語

 建築家に何ができるか

 鰹節か維新精神か

 書を捨てよ、町へ出よう

 線から面へ-町に広がれるか

 景観という戦略

 知的財産権について

 技術と景観

・3章 建築の言葉をめぐって

 建築に思想はあるか

 よそゆき超高層は不要

 大切なものほど分かりにくい

 建築の価値・賞の価値

 罵る言葉

 本郷キャンパスの現在

 建築家は木を切るな 時間の重さに対する責任

 絶望することはない、街に出よ

・4章 人のちからをめぐって

 篠原修の居る風景

 「山」と「家」

 前川國男と時間

 公正と陰影

 遥かなる物語、括る視線

 毒と薬

 アアルトの窓辺

 独立・勇気・祝福「ロヘリオ・サルモナの建築」展によせて

 サルモナの後ろ姿

著者:内藤廣

出版社:王国社

サイズ:四六

ページ数:240

発行年:2009.07