建築家を知る/建築家になる
構造計算偽装問題を契機に行われた建築基準法の改正、建築士法の改正によって、何が変わったのか。建築家への道のりは険しくなったのか。技術と文化を統合する建築家本来の「建築的な表現」は可能なのか。難しい時代と不況にどう向き合えばいいのか。
坂倉建築研究所に12年間勤務の後独立した著者自身の経験をもとに、まだ見ぬ建築予備軍から悩み多き建築正規軍まで視野に入れ、解決に至る道筋を実例・実作を交えて具体的に提起する待望の書き下ろし。
■目次
序
建築家について論じる意味/建築家になるために
建築家像の問題
第一章 建築家をとりまく状況
日本には建築家が多いのか/建築家人口と建築学生人口
建築家人口と戸建住宅/日本の建築家の能力
経済状況と建築家/建築主と建築家
建築主の傾向/不透明なパッケージ
制度と設計業務/建築家と信用
・建築マスコミ
1.建築を伝える難しさ
2.リアライズを伝えること
第ニ章 建築家への道のり
海外のアーキテクト制度/建築家の国際スタンダードにむけて
日本の建築士法
・建築士事務所までの道のり
1.建築人生のイメージ/2.教育段階/3.実務経験
4.意匠設計者として一級建築士事務所を開設する場合
5.構造/設備の設計事務所を開設する場合
6.試験の内容/7.建築士事務所開設後
8.二級建築士事務所/9.設計教育について
10.設計事務所への就職
第三章 建築的な表現
・建築という表現メディアの特質
1.実用性/2.物理性/3.場所性/4.支配性
5.一品性/6.社会性・日常性
建築的表現/非日常と日常の連続性
建築的な表現と建築デザイン/建築的な表現とディテール
第四章 建築的な技術
建築と技術/建築的な技術/構法・工法
・マテリアル
1.鉄筋コンクリート/2.鉄・金属/3.ガラス
4.木・木質材料/5.プラスチック
構造/設備/法規/コスト/環境問題・健康/CADとCG
第五章 建築的な表現のプロセス
「建築的な表現」は叙述できるか
事例1 戸建住宅
・はたのいえ
住宅建築の特殊性/住宅という端末/「はたのいえ」立地条件
「はたのいえ」外観/「はたのいえ」窓と構造
「はたのいえ」性能・設備
事例2 共同住宅、リノベーション
板橋のリノベーション/戸建住宅と共同住宅
リノベーションにおける建築表現/社会資産とリノベーション技術
「板橋のリノベーション」状況
「板橋のリノベーション」建具という装置
「板橋のリノベーション」設備・環境
事例3 コンバージョン、アート、公共空間
妻有田中文男文庫
「用途」とコンバージョン/建築の中のアート
「空家プロジェクト」建築家がアートに参加する意味
「空家プロジェクト」日常と非日常
「妻有田中文男文庫」公民館のコンバージョン
「妻有田中文男文庫」日常と非日常
結
建築家の持続可能性
著者:山本想太郎
出版社:王国社
サイズ:四六
ページ数:189
発行年:2010.04
