坂倉準三とはだれか
坂倉準三のモダニズム建築は生きている。
坂倉は1931~36年までル・コルビュジエのアトリエで修業、37年に「パリ万国博覧会日本館」でデビュー(グランプリ受賞)、戦後鎌倉の「神奈川県立近代美術館」の設計で本格的な建築家活動に入った。常日頃から「人間生活の多層な場面に触れることから得た、身体化した建築家の知がなければ設計など出来ない」を持論とした。「飯箸邸」から「国際文化会館」「新宿西口広場・地下駐車場」まで、住宅から建築、都市計画まで公共と民間を自由に横断するスケールの大きい仕事を支えていたのは、人間中心の環境に近代化するための実践の精神であった。今年は生誕110年にあたる。モダニズム建築の重要性とその存続が同時に問われている今こそ、坂倉の足跡を丹念に辿り直すことは意義深い。
著者:松隈洋
出版社:王国社
サイズ:四六
ページ数:214
発行年:2011.03
