建築家の考えた家に住むということ 共生住居顛末記
居間の上は吹き抜けになっていて、三角屋根の磨りガラスから明るい陽が入り、北側の屋根にも光が差し込んだ。巧妙に計算された住宅なのか、単に荒っぽい構造だけの住宅なのか。不思議なのは、この共生住居には、四世代にわたる家族を内包しながら、それぞれの暮らし方、世代の関わり方、植物や動物をも共存させる包容力のある住居であったことは確かだ。「共生住居」(内藤廣設計)の住まい手である著者が、三十年のひびに紡ぎだされる家族四世代の生と死をめぐる物語を、当事者ならではの観察眼と情愛に満ちた体験を反芻しながら、鮮やかに書き下ろす。
著者:内藤鏡子
出版社:王国社
サイズ:四六
ページ数:156
発行年:2015.05
