明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく
築地本願寺、靖国神社神門・石鳥居、湯島聖堂、平安神宮、震災祈念堂、一橋大学兼松講堂、大倉集古館、祇園閣、、これらを設計し、「建築」という言葉を提案した伊東忠太(1867-1954)。1902年3月から1905年6月まで、国費で世界旅行を単身敢行。日露戦争が勃発するも、敵国・ロシア船で地中海を渡り、時にスパイと疑われつつ、オスマン帝国スルタンから勲章を拝領する。 忠太と同じように世界を股にかけて旺盛な研究活動を展開する気鋭の美術史家が、初公開・新発見資料とともに、日本の近代化の一翼を担った建築家の知られざる旅の見聞録を繙く。
■目次
・はじめに
・第Ⅰ章 ガラタ橋の上で ――忠太、イスタンブルをゆく
・第II章 伊東忠太とは誰だろう?――明治日本の「建築」誕生
・第III章 「回教/イスラム」建築初体験
・第IV章 伊東博士、 イスタンブル建築を斬る
・第V章 忠太、 スルタンより勲章を拝領する
・第VI章 イスタンブルの日本人――忠太と中村商店の仲間たち
・第VII章 忠太、 ロシア船で地中海を渡る
・第VIII章 灼熱のアナトリアで、 痒し痒し
・第IX章 スフィンクスと奈良の大仏―― 忠太のエジプト建築見聞
・第X章 忠太、「アラビア芸術」に迫る
・第XI章 新月東帰、 紅雲西去
・終章 青雲語る日々は遠く
・おわりに
著者:ジラルデッリ青木美由紀
出版社:ウェッジ
サイズ:四六
ページ数:321
発行年:2015.12
