症状・行動への環境対応 Q&A 認知症ケア環境事典
ここ十数年の間、認知症ケアのパラダイムは大きく転換し「ケアの向上には、よい環境が不可欠である」と認識されるようになった。実際にグループホームやユニットケアなど新しい居住形態が登場するとともに、家庭的なしつらいや家具レイアウトなどのケア環境の改善に関する試みも広く実践されるようになってきている。
本書は、こうした実践について分かりやすく体系的に整理したものである。まず、認知症ケア環境の基本的な考え方(1章)を述べたうえで、生活場面からみた認知症ケア環境のあり方(2章)について留意点を整理し、次に、介護現場で問題となるさまざまな症状・行動への環境的対処(3章)について、Q&Aの形式でまとめた。
・第1章 認知症ケア環境の考え方
認知症ケア環境とは
認知症と環境適応
居住形態 認知症の人のための生活の場の変還から考える
認知症ケアのための施設環境改善の手法と実践
・第2章 生活場面からみた認知症ケア環境
交流・集まり/家事/食事・喫茶
就寝・起床/入浴/トイレ/洗面
散歩・買い物
・第3章 症状・行動への環境対応Q&A集
外出欲求・帰宅欲求/落ち着いていられない
他の入居者とのトラブル/不穏・妄想・拒否
なじみ・適応・分かりやすさ/適正を生かすための環境
排泄/事故・安全
・第4章 認知症ケア環境に関するキーワード
ヒューマンスケール/動作領域/動線/視認性
アフォーダンス/行動セッティング/環境適応・なじみ
環境移行/パーソナルスペース/プライバシー
セミパブリック・セミプライベート/空間の見通し
回遊性/固有の居場所/消極的参加の場/居方/心象風景
環境要素の調整/カラーコーディネーション/素材とテクスチャー
採光とライティング/におい・風・音などの環境刺激の調整
セキュリティ/ユニットケアの実施に向けた施設改修/個室
民家改修型施設/アクションリサーチ/生理的指標/行動観察調査
インタビュー調査/キャプション評価法/PEAP
著者:日本建築学会
出版社:ワールドプランニング
サイズ:A5
ページ数:264
発行年:2009.05
