
ふりかえれば未来がある 風土に学ぶ「神楽坂建築塾」の活動
新しさ・巨大さを追い求めるのではなく、風土と文化、職人の技能と生活の智慧に根差した建築とひとの関係を模索する、現代版・寺子屋「神楽坂建築塾」。スクラップ&ビルドへの異議、歴史的建造物保存活用、木造建築復権を目指した「継承と再生」など、20年にわたる講義とワークショップの記録を集成。ここに、モダンを超えるオルターナティヴの建築像を提示する。
■目次
序:未来へと智恵をつなぐ〈神楽坂建築塾〉 齊藤祐子
・一章 「神楽坂建築塾とは」
・二章 「まちづくりと文化財、再生」
神楽坂のまちから-登録有形文化財と神楽坂のまちなみ
鈴木喜一・渡邉義孝 ほか
・三章 「住まいづくりの作法を学ぶ」
人との出会い-『住宅建築』名物編集長が語る、人と建築 立松久昌
今、知織を智恵に変える
-大工・田中文男が語る、これからの設計者&職人像 田中文男 ほか
・四章 「ヴァナキュラーと伝統」
イギリスに見る田園都市の思想
-大正の「獄舎」建築と田園都市に共通する視点とは 長谷川堯 ほか
大工道具の文化、職人の現状と未来
-大工道具の歴史と、手仕事による家づくりの危機 田中隆義 ほか
・五章 「森と環境」
山と職人と住み手のネットワーク
-日本の気候風土に適した住宅のつくり方 丹呉明恭
森と建築の再生-戦後の小住宅に木造建築のあり方を学ぶ 戸塚元雄
紀州の林業と家づくりを学ぶ
-山と持続的に付き合う木の家づくりとは何か 中村伸吾・榎本長治ほか
・六章 「ふ~らり・旅と建築」
中国民家に見る風景の力-安徽省・宏村、自然と調和する集落と住まい
平良敬一
日本の民家 屋根の記憶-レンズがとらえた日本の原風景 大橋富夫
チベット高原、二つの集落と小学校建設
-地域の伝統技術でいつまでも使い続けられる校舎を 齊藤祐子 ほか
・七章 「建築塾の活動」
益子・土と建築-土の力、土の魅力を発見する 齊藤祐子
つくばで古民家の調査と解体を見学する
-地域の資源を再生するための手法 對馬英治 ほか
・八章 「まちあるき」
・コラム:神楽坂建築塾との出会い
・鈴木喜一がまいた種 時森幹郎
全講座リスト
終:「まちの記憶と建築の価値」を社会と共有する
-神楽坂建築塾の先進性 中村謙太郎
著者:神楽坂建築塾
出版社:建築資料研究社
サイズ:A5
ページ数:287
発行年:2017.06