戦時下の万博と「日本」の表象
日中戦争下に開催されたニューヨーク・サンフランシスコ両万国博覧会では、当時悪化していた対日イメージを改善するため、どのような「日本」を提示しようとしたのか。美術品・映画・写真・建築などの出品物とその展示方法を通して詳細に検証する。
■目次
・はじめに 国家宣伝としての「日本」のイメージ
・I ニューヨーク・サンフランシスコ万国博覧会と日本
大戦前夜の博覧会が見せた夢 Building The World of Tomorrow
ニューヨーク万博における二つの「日本」 日本館と国際館日本部の展示
サンフランシスコ万博における「日本」 「観光日本」の掛け声の中で
・II 「国家」の表象としての美術
文化宣伝のための美術 戦時下の万博に出品された絵画
「日本固有の美」という国是 「日本」の象徴としての工芸
民族学展示のヒエラルキー 「日本」古美術展覧会
・III 対外文化宣伝映画に描かれた「日本」のイメージ
「文化宣伝」のための映画 国際文化振興会と国際観光局による映画製作
ニューヨーク万博における対外文化宣伝映画の上映
「古きよき日本」と「新しき日本」
対外文化宣伝映画に描かれた「教育」「女性」「大陸」
・IV 写真壁画の中の「日本」
写真壁画の形式 「組写真」形式と「コラージュ」形式
「コラージュ」形式の写真壁画
・V モダニストと「日本的なもの」
モダニストの「日本文化」論
「博覧会建築」の特殊性 ニューヨーク万博日本館の場合
一九三〇年代における「日本趣味の建築」と「日本的なもの」をめぐる議論
岸田日出刀における「モダニズム」と「日本的なもの」の接合
イメージの展示 国際館日本部における山脇巌の展示設計
国際館日本部・一九三九年開催時における展示設計
山脇巌と「日本人のスケール」
一九四〇年開催時における展示設計
著者:山本佐恵
出版社:森話社
サイズ:A5
ページ数:328
発行年:2012.04
