アゲインスト・リテラシー グラフィティ文化論
本書は、日本初の本格的なグラフィティ文化論、批評の書であり、美術家である著者のステートメントでも
ある。グラフィティ文化と現代美術の接点から導出される「文脈的なリテラシー(フリード)」「感性的な
リテラシー(ソンタグ)」というキーワードを手がかりに、さまざまな文脈やリテラシーによって複雑に編
成された現代の文化状況のなかで、硬直する思考に抵抗(against)し、しなやかな感性を発揮するための
ガイド。
■目次
1. 作家論
バンクシーズ・リテラシー 監視の視線から見晴らしのよい視野へ
BNE 水の透明なリテラシー
レター・レイサーズ ラメルジーと武装文字の空気力学
絵画とスピード違反 サイ・トゥオンブリとホセ・パルラ
誘拐と競売 ゼウスと有名性について
スウーンとストリート・アートの「新しいはじまり」
バリー・マッギーの「界面」
Obey Me 横断と支配の論理
2. 都市と落書きの文化史
[I] 前史(1862-1967)
[II]グラフィティとプロテストの落書き
[III]地下鉄の時代とそれ以降
3. 現代日本との接点
スタイル化するシミュラークル グラフィティ文化とオタク文化
日本の資格文化とライヴ・ペインティング的なもの
匿名性の遠心力 震災から考える
4. 美術史に照らして
アゲインスト・リテラシー
著者:大山エンリコイサム
出版社:LIXIL出版
サイズ:A5
ページ数:256
発行年:2015.01
