
台所見聞録 人と暮らしの万華鏡
住まいに欠かせない、生きるための空間「台所」。
食物を扱うため、その土地の気候風土や文化とも密接に関わり地域によっての独自性も高い。しかし近年では、働く場として合理的で機能重視な空間へと急速に変化し、伝統的な台所は世界的に消えつつある。本書では、世界と日本の台所事情をそれぞれ調査した2人の研究者をナビゲーターに、人々が求めてきた台所はどのような空間なのかを再考する。
宮崎玲子氏(建築家)は、世界の伝統的な台所を約半世紀にわたり調査。北緯40度を境に南北で「火」と「水」の使い方に特徴があることを明らかにした。1/10模型や直筆のイラストで各地域の特性を紹介する。須崎文代氏(神奈川大学工学部建築学科特別助教)は、日本の台所史を軸に、劇的に変化してきた日本の台所について、明治から昭和初期の家事教科書や家政書から改良への変遷を分析。さらに有名建築家による挑戦や実践も紹介する。理想の台所を求めて、古今東西に広がる小さな空間へと誘う一冊。
著者:宮崎玲子、須崎文代
出版社:LIXIL出版
サイズ:A4変
ページ数:73
発行年:2019.03