
原爆ドーム 再生の奇跡
原爆によって平和な建物としての生命を失い、戦争破壊物として20余年放置された。その間いろいろな苦難を経て修理保存されたドーム。原爆ドームの主治医と呼ばれた建築家・佐藤重夫をはじめ、全国から優秀な技術者と技能者たちが広島に結集する。巻頭口絵10ページ。貴重な写真や図版、資料を収録。
■目次
第一章 建築観と戦後への決意 佐藤重夫の進む道
青雲の志を抱いて 岸田教授との出会い
新建築作家ブルーノ・タウトからの学び
渡辺仁建築工務所で培った経験 原爆投下の日
勤務発令-広島へ 玉音放送
破壊された広島の光景 役に立てないむなしさ
復興への誓い 恩師との語らい
旅の宿で目覚めた復興への旅
第二章 平和記念式典と平和記念公園の成り立ち
戦後復興への意欲 平和復興祭の始まり-昭和二十一年
新しい形の式典へ 新しい都市計画と丹下健三とのかかわり
広島平和記念公園建設に向けて 公園設計の公募
競技設計ー原爆ドームの位置づけ 平和記念都市建設の着工から完成
第三章 原爆ドームの運命
広島県物産陳列館の建設 設計者、建築家ヤン・レツル
人々に親しまれた被爆前 物産陳列館で初めて売られたバウムクーヘン
原爆ドームとして人々の平和に象徴に 原爆ドームの写真から見えるもの
原爆ドームの存廃論議 賛否両論のドーム保存
水爆実験-核の脅威と平和への願い 「原爆の子の像」建立
保存を訴える国内外からの声 保存運動のきっかけ「広島折鶴の会
平和のシンボルとして 原爆ドーム保存への決意
第四章 ドーム調査と広島市の決断
ドームの現状調査と保存方法の検討 ドームの強度
未知への挑戦-エポキシ樹脂系接着剤 高額な接着剤費用をどうするのか
広島市の決断と人々の協力
第五章 原爆ドームの回生
保存工事の意義 雀の子救出作戦
保存工事のはじまり 原爆ドームの回生
第六章 保存工事の検証-二つの大きな実績
エポキシ樹脂工法の確立 保存工事二十年後の検診
平和記念公園に捧ぐ 永遠の願いを込めて
著者:古川修
出版社:南々社
サイズ:四六
ページ数:282
発行年:2022.07