
こどもと大人のためのミュージアム思考
こどもと大人が共に文化やアートに出会い、楽しむことを応援する「Museum Start あいうえの」は、上野公園近隣に位置する9つの文化施設が合同で行うラーニングプロジェクト。
本書ではプロジェクトでの活動を写真付きで紹介。さらにプロジェクト当事者の視点から、ミュージアムでモノを見て思考する体験を「ミュージアム思考」と捉え、視覚的、身体的、共在的、超越的、持続的の5つの側面からその体験を紐解いていきます。博物館・美術館の新しい時代の楽しみ方が学べる一冊。
■目次
理論編
1 新しい学びのプロジェクトがめざす姿
・すべての子供たちにミュージアム体験を!
・子供と大人が共につくる、学びのかたち
VOICE1 博物館の展示を「相対化」して新たな学びを生む 小川達也(国立科学博物館)
VOICE2 どんな意見も受け入れてくれる場所 藤田千織(東京国立博物館)
2 なぜ今、ミュージアムで新しい学びなの?
・社会の共通財産としてのミュージアム
・ミュージアムがつくる文化的つながり「文化縁」
VOICE3 娘と私の第二の我が家になった上野 安達治枝(プログラム参加者)
VOICE4 固定された関係性から解放される日 廻京子/草野くる美(認定NPO法人キッズドア)
3 ミュージアムで見て考える
・ミュージアムでモノを見るとは
・見て、考える力
・分かち合う力
VOICE 5 ミュージアムがもたらす成長を感じる体験 鈴木秀樹(小学校教諭)
・インタビュー
・一人ひとりが世界につながる「窓」としてのミュージアム
一篠彰子(東京国立近代美術館主任研究員・教育普及室長)
・記号化できない世界を把握し、問いかける
山口周(独立研究者、著作家、パブリックスピーカー)
・ミュージアムで育む批評的なモノの見方
落合陽一(メディアアーティスト)
実践編
5つのミュージアム思考
1 視覚的思考─モノを見ながら思考を深める
事例1 キュッパ部
事例2 Hi!Zai (やあ! 材料)
事例3 うえの! ふしぎ発見 コレクター部
考察 「見る」から始まるミュージアムの学び
2 身体的思考-身体感覚を総動員して考える
事例1 うえの! ふしぎ発見 けんちく部
事例2 やさしい日本語プログラム 美術館でポーズ!
事例3 キュッパ・チャンネル ムービー部
考察 展示室だけではなく、敷地もぜんぶミュージアム
3 共在的思考─他者の感情や経験を理解する
事例1 のびのびゆったりワークショップ
事例2 ミュージアム・トリップ
事例3 放課後のミュージアム
考察 「ともにある」ことの意味
4 超越的思考 時空を超えて深層に触れる
事例1 スペシャル・マンデー
事例2 うえのウェルカム
事例3 ティーンズ学芸員
考察 自己を超えた社会や世界とのつながりを見出す
5 持続的思考─答えを急がず問いを持ち続ける
事例1 ぼうけん部 哲学対話
事例2 うえの! ふしぎ発見 アート&アニマル部
事例3 うえの! ふしぎ発見 ゴッホ部
考察 わからないことを考え続けるということ
著者:稲庭彩和子
出版社:左右社
サイズ:四六
ページ数:296
発行年:2022.03