批評と理論
建築学会が主催し、磯崎新、鈴木博之、石山修武の3氏を監修者として開催された連続シンポジウム「批評と理論」を書籍化したもの。日本の各時代からひとつの建物とそれにかかわる一人の人物を取り出し、専門家と視点の異なるパネラーの報告をもとに討議が行われる。「伊勢」から「お祭広場」まで、日本の建築や文化の問題点が分野を横断した議論からくっきりと浮かび上がる。
■目次
・第1章 古代/伊勢神宮/天武帝
「レクチャー」
伊勢神宮と「日本美」の再発見 子安宣邦
伊勢神宮-アナクロニズムの誘惑 田中純
建築史における伊勢神宮研究 丸山茂
「ディスカッション」
鈴木博之+中川武+田中純+丸山茂+林一馬+子安宣邦
・第2章 中世/浄土寺浄土堂/重源
「レクチャー」
重源と播磨浄土堂 五味文彦
浄土寺浄土堂と大仏様の継承 山岸常人
歴史意匠論としての大仏様の意義 磯崎新
「ディスカッション」
鈴木博之+中川武+石山修武+五味文彦+山岸常人+磯崎新+藤井恵介
・第3章 近世/密庵席/遠州
「レクチャー」
小堀遠州と寛永文化 熊倉功夫
遠州好み 中村利則
「ディスカッション」
磯崎新+熊倉功夫+中村利則+中谷礼仁+岡崎乾二郎+田中純+石山修武+鈴木博之
・第4章 近代/法隆寺/岡倉天心
「レクチャー」
美術・美術史・美術史学の成立と岡倉天心 佐藤道信
岡倉天心のイデオロギーをめぐって 福田和也
岡倉天心の歴史観 井上章一
「ディスカッション」
鈴木博之+井上章一+石山修武+磯崎新+佐藤道信+福田和也
・第5章 戦前/桂離宮/タウト
「レクチャー」
日本的なものの発見-1930年代とタウト 藤岡洋保
ドイツ建築界におけるタウト-1910-20 杉本俊多
タウト、1933年の問題群 岡崎乾二郎
「ディスカッション」
磯崎新+藤岡洋保+杉本俊多+岡崎乾二郎+難波和彦+石山修武
・第6章 戦後/お祭広場/岡本太郎
「レクチャー」
近代と反近代の衝突? 浅田彰
都市開発手法としての大阪万博 藤森照信
愛知万博の可能性/不可能性 隈研吾
「ディスカッション」
鈴木博之+石山修武+浅田彰+藤森照信+隈研吾+磯崎新+岡本敏子
・第7章 現代/インビジブルシティ/磯崎新
「鼎談」
磯崎新+鈴木博之+石山修武
著者:磯崎新、鈴木博之、石山修武
出版社:LIXIL出版
サイズ:A5
ページ数:373
発行年:2005.03
