
10+1 No.50 最終号 Tokyo Metabolism 2010 -50 Years After 1960
丹下健三「東京計画1960」。高度経済成長期を象徴的に表現したこの有名な都市プロジェクトについて、その誕生の背景やプロジェクトの詳細な意味や位置付けはこれまであまり語られることがなかった。今回、八束はじめ率いるUPG(=Urban Profiling Group)のメンバーによる丁寧な探索により、本プロジェクトの全貌が復元・解明される。単なるヴィジョナリーなプロジェクトとして見なされがちなその背後には、現実的な国土の実勢を把握するリサーチがあり、研究成果は後に丹下の博士論文「都市の地域構造と建築形態」としてまとめられ、さらに70年の「日本列島の将来像」へと連なっていく。また、丹下に影響を与えた高山英華、内田祥文、浅田孝など人物をクローズアップし、戦時下の状況のなか、彼等が1940年に計画した線上都市と「東京計画1960」の関係を考察する。さらに「東京計画1960」から半世紀経った都市の変貌を、東京に留まらず、ドバイなどグローバルな都市一般にまで言及。レム・コールハースの論文「シンガポール歌の路」(「S、M、L、XL」所収)も掲載。
■目次
・50Years After 1960-グローバル・シティ・スタディーズ序説 八束はじめ
・ポスター「東京計画1960」(1961)
・二〇世紀日本建築の「悦ばしき知識」 丹下研究室の国土・都市・建築 豊川斎赫
・空間の開発・環境の制御 一九六〇年前後の浅田孝と高層化研究・人工土地・極地建築 菊池誠
・高山英華の戦時下「東京都改造計画」ノート 中島直人
・20 Years Before 1960 And Now 内田祥文から見える今の世界 金子祐介
・TOKYO METABOLISM 1960-2010:
ENCYCRLOPEDIA Vol.1 八束はじめ+太田暁雄+金子祐介+唯島友亮+水谷晃啓+福島北斗
・「空間」と「経済」のデュアリティ-五〇-六〇年代アメリカ・アーバニズムの深層 唯島友亮
・新加被歌的路(シンガポール・ソングラインズ) レム・コールハース 訳・太田加代子+八束はじめ
・アクト城中村・新都市抹消の法学 上原雄史 訳・松下希和
・TOKYO、HONGKONG、SINGAPORE 福島北斗+唯島友亮+太田暁雄+坪井宏憲+太田口絢子+真喜志康功+金子祐介
・グローバルシティ・スタディーズの諸相 今村創平+八束はじめ
著者:
出版社:LIXIL出版
サイズ:228×178
ページ数:308
発行年:2008.04