摩天楼とアメリカの欲望 バビロンを夢見たニューヨーク
19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカに出現した摩天楼。神々しくそびえ建つ姿は、富とビジネスの象徴であるとともに、天に憧れた人類普遍の夢の象徴だった。超高層ビルに文字どおり摩天(天空志向)の思想を読み取り、歴史のメタフィジックスを展開する。「商業の大聖堂」を建てた百貨店王フランク・ウールワース、「世界最高にして世界の中心」の自社ビル建設をめざした新聞王ジョゼフ・ピュリッツァーなど、世俗の権力欲と霊的昂揚への憧憬のダイナミズムをあわせもつ摩天楼の魅力に迫る。
■目次
・序章 すばらしき摩天楼の時代
・第1章 天空志向 「摩天楼──革新か伝統か」
・第2章 万物の復興 あるいは摩天楼の再興
・第3章 聖なる摩天楼と世俗的な大聖堂
・第4章 自然成長の神話──新聞ビジネスの夢
・第5章 自然成長の神話2──アメリカ精神の伏流
・注/参考文献/事項索引/人名索引
・訳者あとがき
・著訳者紹介
著者:トーマス・ファン・レーウェン、三宅理一、木下壽子
出版社:工作舎
サイズ:四六
ページ数:386
発行年:2006.09
