東京の公園と原地形
東京には地図には見えない谷があった。隠された地形に左右される景観。谷戸は天然のグラウンドデザインだ-。
「谷戸(やと)」とは、自然がつくった谷のこと。
「谷戸歩きの面白さというのは、景色が次々と展開していくところにある。これも部分的に変わるのではなく、全部が変わる。20~50メートル上るだけで尾根になり、今まで見えなかった尾根の向こうの景色が見えてくる。尾根から谷戸に下りると、ここだけの世界がある。」谷戸歩きの魅力に取り付かれた著者は、「谷戸」をキーワードにすると地形が良く理解できることに気付く。原地形(人の手のまだ入らない自然のままの地形のこと)を理解し、周辺の地形の一部分として見てみれば、庭園や公園が新たな顔で浮かび上がってくる。
■目次
・序章 地形は呼んでいる
イギリス風景式庭園と日本庭園
・第1章 原地形と谷戸
原地形とは/谷戸から原地形がみえる
・第2章 武蔵野台の谷戸
清水谷公園/石神井公園/砧公園(砧緑地)/小金井公園
・第3章 丘陵の谷戸
こどもの国(多摩丘陵)/薬師池公園(多摩丘陵)/小宮公園(加住丘陵)
国営武蔵丘陵森林公園
・第4章 崖線の谷戸
そう浪泉園/殿ヶ谷戸庭園/深大寺と神代植物公園
・第5章 ロイヤルグリーン
明治神宮内苑/明治神宮外苑/新宿御苑/江戸城の内壕と外壕
・第6章 大名庭園と谷戸
戸山荘(一部、戸山公園)/松平讃岐守下屋敷
・第7章 明治・大正の庭園と谷戸
相馬邸庭園(一部、おとめ山公園)/池田邸庭園(「春の雪」の庭園)
・第8章 谷戸の傑作
椿山荘/三渓園
・第9章 谷津につくられた西山荘
水戸黄門の隠栖地
・第10章 「谷地」につくられた南湖公園
著者:田中正大
出版社:けやき出版
サイズ:A5
ページ数:343
発行年:2005.06
