日本の庭 ことはじめ
庭園とは「自然を扱うデザインのひとつ」という視点に立ち戻り、日本庭園の造形(意匠)と日本の自然との関係を解説する。また日本庭園の源流をひも解きながら、歴史的遺産となっている名園から近現代の優れた庭まで、写真を豊富に交えながら紹介する。造園家である著者が、日本の庭園を理解するためにさまざまなテーマを採り上げ解説した一冊。
■目次
第一章 近現代の庭
・庭の魅力
北村美術館「四君子苑」庭園/朝倉彫塑館/植冶・七代目小川治兵衛の庭
飯田十基の雑木の庭/重森三玲の庭/吉兆高麗橋の中庭/武相荘の庭/深谷光軌の外空間 京王プラザホテル四号街路空間/何必館・京都現代美術館/京都、森に隠れた廃墟の庭/イサム・ノグチ
第二章 自然を造形する
・庭の主役、日本の自然
日本の植生環境
・神を迎える造形
磐座/環状列石/鎮守の森/神池/神籬/禊の場/古墳/ニワ
・農における自然の造形
里山/棚田/水の制御と利用/屋敷林など/農の習俗、遊びに見られる自然とのかかわり
・都市の自然
生きている都市/都市の土木構造物/都市の中での自然の楽しみ、遊び
第三章 大陸から伝わったもの
・中国、朝鮮半島の庭文化の影響
中国の庭/朝鮮半島(韓国)の庭
第四章 日本庭園の変遷
・日本庭園の歴史を通観して
飛鳥時代/奈良時代/平安時代/鎌倉・室町時代/安土桃山時代/江戸時代
・庭園のつくり方を著した書物
作庭記/山水並野形図/築山庭造伝/日本庭園入門(ランドスケープ・ガーデニング・イン・ジャパン)
・作庭者たち
石立僧/山水河原者/夢窓疎石/小堀遠州/明治以降の作庭者
第五章 庭園の様式
・池庭
平城京左京三条ニ坊宮跡庭園/平城宮東院庭園/平等院庭園/浄瑠璃寺庭園/毛越寺庭園/永保寺庭園/西芳寺庭園/鹿苑寺(金閣寺)庭園/慈照寺(銀閣寺)庭園/北畠氏館跡庭園/旧秀隣寺庭園/一乗谷朝倉氏遺跡庭園/桂離宮庭園/修学院離宮庭園
・枯山水庭園
西芳寺庭園 洪隠山/大仙院書院庭園/龍安寺方丈庭園/南禅寺金地院庭園
・露地
妙喜庵待露地/表千家不審菴露地/孤蓬庵庭園
・坪庭
・農の景
第六章 時間・骨格・ディテール
・時間概念のデザイン化
・庭園の骨格
敷地の選択/囲い/地割/動線の配置
・庭園のディテール
石垣/添景物/塀・垣/建築のディテール 自然・庭園とのかかわりにおいて/動線の配置
・庭年表
・おわりに
・参考引用文献一覧・出典一覧・クレジット
・著者略歴
著者:岡田憲久
出版社:TOTO出版
サイズ:225×155
ページ数:327
発行年:2008.05
