磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿
磯崎新が、ルネサンス以降の歴史から建築・美術に影響を与えた重大事件を10件抽出し、それらと現在がどのような関係をもつのか紐解いていく。
対談相手には新進気鋭の美術史研究者を迎え、建築・美術にとどまらず、国家、宗教、政治、産業、文学、映画・・と、その内容は時代・ジャンルを超え、縦横無尽に展開される。1章読み終えるごとに歴史の軸が自身に確立されていくような、骨太な読み物。
■目次
・はじめに 磯崎新
・第1章 15世紀
建築書はなぜ書かれたか 蝶番としてのアルベルティ
-建築の「成立」から「解体」への道
・第2章 16世紀
サッコ・ディ・ローマ 中心の喪失が強いた「離散」と「手法」
・第3章 17世紀
権力者のパトロネージ 踊らされる建築家たち ベルニーニとボッロミーニ
・第4章 18世紀
グランド・ツアー 古典が相対化された次代 ローマ参詣とピラネージ
・第5章 19世紀
革命の挫折と近代国家の成立「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」
-見抜いていたマルクス
・第6章 20世紀(1)1900-10年代
未来派のメトロポリス 時間と速度の変容 マリネッティとサンテリア
・第7章 20世紀(2)1920-30年代
ファシズム時代のアーティストたち 古典主義と合理主義
-あるいは西欧近代化の遭難譚
・第8章 20世紀(3)1940-50年代
ネオ・レアリスモ 「リアル」とは何か イデオロギーが激震した時代のこと
・第9章 20世紀(4)1960-70年代
消えたユートピア革命と洪水が残したもの
・第10章 20世紀(5)1980-90年代
群島の間に・・・均質空間を崩す ノーノ、カッチャーリ、イソザキ
・あとがき まだ事件現場にいます。磯崎新
著者:磯崎新、新保淳乃、阿部真弓
出版社:TOTO出版
サイズ:150×220
ページ数:324
発行年:2010.02
