森と建築の空間史 南方熊楠と近代日本
日本の空間に棲んだ「神」は「死んだ」のか?明治政府による「イセ」を頂点とする神々の一元化は、人々から自然への無償の愛を奪った。これに抗し、森の神性を守ろうとした南方熊楠と、その対極に位置したはずの日本近代建築の祖、伊東忠太との奇妙な共通性に潜む意味を読み解き、近代日本から「逸脱」する知の可能性を探る、渾身の力作!
■目次
・図表一覧
・序章
・第1部 明治・大正期の宗教政策と国土再編
第1章 「神道」の近代性/第2章 「神道」=「非宗教」へ/第3章 神社のシンボル化と神社合祀
・第2部 近代に向かう空間と知
第4章 近代の神社創建/第5章 「保存」の政治/第6章 伊東忠太と南方熊楠―「廃絶」と「保存」から逸脱する知性
・第3部 空間の近代化と南方熊楠の思想
第7章 「事の学」―ヨーロッパ的科学思想と密教的世界観の統合/第8章 環境との雑り/第9章 空間に導かれる倫理
・終章 あとがきに代えて
著者:千田智子
出版社:東信堂
サイズ:A5
ページ数:278
発行年:2002.12
