ベルリン 地下都市の歴史
ヴァイマール文化の精華たる首都に設えられた地下建造物は、防空という至上命令の下、市全域に根を張る史上最大の要塞へと変貌した。ナチス第三帝国の心臓部、米ソ対立の最前線となり、地の底から世界を揺るがした20世紀を象徴する闇の牙城を踏査する。
■目次
・ベルリン地下世界入門
・第1章 建築基礎と土台
墓所と城塞
装甲室と火薬庫
貯水場と濾過用洞穴
醸造所地下室とワイン酒場
排水溝から下水道へ
気送管郵便 ベルリンの小さな地下鉄道
墓所と記念物
・第2章 「出口なきトンネル」と行き止まりの軌道
ヴェディング地区のAEG試作トンネル
シュトララウとトレプトウ公園をつなぐシュプレートンネル
路面電車のリンデントンネル
最初の「地下路面電車プロジェクト」
地下鉄網の誕生(1896~1919)
地下鉄の第二次建設期(1920~1930)
「十二年帝国」の地下鉄建設(1933~1945)
分断された都市の地下鉄(1945~1961)
新トンネルと「幻の路線」(1961~1989)
都市鉄道の「出口なきトンネル」
歩行者トンネルと自動車トンネル
・第3章 地下壕と爆弾
「総統緊急プログラム」
地下からの暗殺計画
爆弾を防ぐコンクリート
地面の下の軍需工場
トンネルのなかの最終決戦
「総統地下壕」とヴィルヘルム通りの設備
・第4章 瓦礫の山と逃亡トンネル
待避壕の瓦礫と盛り土
冷戦と新たな地下壕
「もう電話してくるな!」1945年以降の郵便
ベルリン 諜報員たちの首都
「幽霊駅」
地下鉄に乗って亡命
・第5章 地下の闇社会
文学のなかの「金庫破り」
現実にあった金庫破り
ツェーレンドルフ地区のトンネル作戦
「ダーゴベルトの略奪ツアー」
・第6章 変革と新たな次元
・エピローグ
著者:ディートマール & イングマール・アルノルト+フリーデル・ザルム、中村康之
出版社:東洋書林
サイズ:A5
ページ数:255
発行年:2011.09
