モルドヴァの世界遺産とその修復 世界遺産 壁一面をフレスコ画が彩る美しき修道院
ルーマニア北部のブコヴィナ地方に点在する、中世モルドヴァ公国時代に建てられた修道院・教会は、外壁を埋め尽くすかのように描かれた壁画が際立った特徴で、そのうち7つの修道院・建築が世界遺産として登録されている。本書は14世紀に始まるモルドヴァ公国の都市の成り立ちから、建築史的考察、壁画のイコノグラフィー、考古学的研究、壁画と建築の保存・修復まで、多角的な視野でまとめられ、キリスト教美術(ロマネスクやゴシック、ビザンチン)の愛好家、遺産学・修復の専門家、建築家等の期待にも十分に応えるものとなっている。
■目次
・都市形成と修道院
古都スチャヴァにおける都市形成と宗教建築
ビストリツァと石工職人
東方正教会について
・中世モルドヴァの宗教建築
ペトル・ラレシュ公の墓所として-プロポタ修道院の成立と発展
タウトゥ家の付属礼拝堂-バリネシュティ聖ニコラエ聖堂の建築的特質
モルドヴァ共和国における中世建築の継承
正教文化圏の修道院文化
・壁画とイコノグラフィー
天の位階-プロボタ修道院内壁のイコノグラフィー
聖母と聖者-プロボタ修道院外壁のイコノグラフィー
ビザンティン聖堂におけるキリストの図像
中世セルビアの修道院
・モルドヴァのポスト・ビザンティン考古学
プロボタ修道院の発掘調査
バリネシュティ聖ニコラエ聖堂の発掘調査
・正教修道院の保存修復
ユネスコによるプロボタ修道院の保存修復事業
バリネシュティ聖ニコラエ聖堂の場合
北部モルドヴァ地方におけるフレスコ画の修復技法
建築家イオナ・グリゴレスク-修復と創造性
著者:三宅理一、羽生修二
出版社:西村書店
サイズ:A5
ページ数:284
発行年:2009.11
