図説世界建築史 12 後期バロック・ロココ建築
17世紀のバロック建築と啓蒙運動時代の新古典主義建築との間に、後期バロック建築なるものを見いだすことができる。それは、前者のバロック建築の基礎をなす体系の精神と後者の系統組織化の精神とをある意味で統一するものである。バロック建築の建築型と形体を引き継ぎながら、しかし、その絶対主義的な意気込みをほとんど放棄している。一つの伝統の終末を体現していて、修辞的であるというよりも、むしろ懐古的であり、バロックが示す宗教的説得力を捨てて、個人的な特徴を示さんとする願望に走ったのであった。この時期は、多様でありかつ部分的には相矛盾する潮流を数多く含む。したがって、様式を正確に定義づけて、示すことは困難である。たとえば、後期バロック建築とロココ建築を取り上げて、その差異を際立たせようと試みても、つねにいっそう複雑な全体のある限られた局面を恣意的に強調することが先入観的に忍び込んで、大抵の場合失敗するのである。そこで、本書は、後期バロック建築を、単純に、1690年から出発して1760年に終わる一時期の建築とする。その基本的特性は、著者の考えによれば、通常の様式的分類を一新するのであるが、それを以下の各章で検討してみたい。【序文より】
著者:クリスチャン・ノルベルグ・シュルツ、加藤邦男
出版社:本の友社
サイズ:260×260
ページ数:280
発行年:2003.04
