家屋とひとの民族誌 北タイ山地民アカと住まいの相互構築誌
伝統を重んじる人々の村落観や家屋モデルを分析し、その霊的世界観や慣習的知識を抽出。人類学と建築学の方法論を融合した論考。
■目次
第一章 家屋のパースペクティブ
一 本書の目的と方法論 「アカの家屋」をめぐる問題を手がかりに
二 家屋はどのように扱われてきたか
三 フィールド
四 フィールドワーク
第二章 生活の舞台1 ロゥチの村落
一 領域の画定
二 稲の播種
三 まとめ 村落の時空間の組織
第三章 生活の舞台2 ロゥチの屋敷と家屋
一 屋敷と家屋の空間
二 家屋の構法
三 まとめ 屋敷と家屋の組織
第四章 女性 豊かさを運ぶ存在
一 住まい方
二 世帯における女性の役割
三 まとめ 世帯の理想像
第五章 神話 家屋理解の知的道具
一 空間の表象
二 神話における家屋のイメージ
三 まとめ 神話の作用
第六章 霊的存在 空間を組織する鍵
一 「内部の霊」 祖霊
二 「外部の霊」 自然界の霊
三 まとめ 人と霊的存在の相互補完的関係
第七章 枠組みからの逸脱 ザンサンホ再考
一 ザンサンホとはなにか
二 「指導者」のザンサンホ
三 家屋とザンサンホ
四 まとめ 解釈の多様性
第八章 祭壇を捨てる 「生き方」をめぐるキリスト教徒とロゥチの議論
一 タイのアカに対するキリスト教布教の歴史
二 B村のキリスト教徒
三 キリスト教徒とその家屋
四 まとめ 揺れ動く人と家屋
第九章 結論と今後の課題
一 総括
二 人と家屋の相互構築
三 今後の課題
著者:清水郁郎
出版社:風響社
サイズ:A5
ページ数:429
発行年:2005.03
