虚空へ向けて 1897-1900 アドルフ・ロース著作集1
1898年、世紀末ウィーン。後に20世紀建築史に深いトラウマを与えることになる建築家アドルフ・ロースは、いまだ建築家ではなかった。
装飾を断罪した初の近代建築理論といわれる「装飾と犯罪」はどのように育まれたのか?
「紳士のモード」「女たちのモード」など、「装飾と犯罪」にならぶ重要論文を収録したアドルフ・ロース初期論文集が日本語版初登場。世紀転換期のウィーンから、一世紀にわたり眠り続けてきたモダニズムのパンドラ。全31編中27編本邦初訳。ドイツ語初版より訳出。解題2篇、200以上の詳細な訳注を付す。アドルフ・ロース全集発刊開始第1弾
■目次
・序文
・凡例
・ウィーン地図
・口絵
・週刊誌『ディ・ツァイト』
工芸学校の展示会/オーストリア博物館のクリスマス展示会 市民の家財道具とレフラーの部屋
・『ディ・ヴァーゲ』I
工芸の展望I/工芸の展望II
・『ノイエ・フライエ・プレッセ』皇帝即位50周年記念展示会1898ほか
オーストリア博物館におけるイギリス派/ジルバーホフとその周辺/紳士のモード/新様式とブロンズ産業/インテリア ある序論/ロトンダ会場内のインテリア/椅子/ガラスと陶土/豪華な馬車/配管工/紳士の帽子/靴/靴職人/女たちのモード/建築材料/被覆の原理/下着/家具/1898年の家具/印刷工
・ウィーン保守派によるイギリス的なるものとの闘い(宮廷顧問官フォン・スカラ)
オーストリア博物館の冬季展示会/オーストリア博物館の館内鑑賞
・『ディ・ヴァーゲ』II
ウィーンのスカラ座
・2つの小論『ノイエ・ヴィーナー・タークブラット』
メルバとともに舞台デビュー/金持ちゆえに、不幸になった男の話
・後記
・解題
アドルフ・ロースとウィーン文化 ヴァルター・ループレヒター
『虚空に向けて』と皇帝即位50周年記念展示会 細井淳
・訳者あとがき
著者:アドルフ・ロース、加藤淳、鈴木了二+中谷礼仁、早稲田大学建築学科中谷礼仁研究室訳注
出版社:アセテート
サイズ:210×130
ページ数:311
発行年:2012.03
