文脈を探る どこへ行く現代建築
建築家の想像力は、自己表現を図りながらも、社会の現状を突破し、再構築するために、模索への解答を求めながら戦っている。そうした建築界の夢と可能性を期待しつつ、知の再編を目指したい。そして、その現実を読みとるために、建築界を取り巻く様々な分野の日常を集積させているのが本書の構成である。
「複眼的で舌鋒鋭い短い文章の集積のなかに、濃密な思考が恐るべき広さと揺るぎなさで展開し、さながら疾走する叡知という感がある」-林望氏 推薦
目次
■2004
新しい都市の再構築/分子の世界から建築が変わる
建築のバリュー評価/サプリメント建築/大型建築への抵抗
都市再生の課題を追う/現代技術と事故の相関
歩くことを是認した建築/建築の評価の数値化
規制改革と都市のスケール/デザインの傾向と選択
小・中学校における建築教育/「ビッグ・ボックス」セオリー
■2005
日本の労働人口が減る/郷愁か、それともトレンドか
コミュニケーション空間の共有化/アーキラボ1950-2005展から
建築と社会の距離/現代社会の風景とは何か/景観と景色を読みとる
コンバージョンが進化する/丹下健三の未来/文化交流とグローバリズム
都市の迷宮性と多様性/ポスト情報社会/公共建築と投資型社会
建築デザインの表層性/公共建築とデザイン・ビルド/景観的道路
建築と建築家/すべて道は都市を開く/国家的建築と政治
経済・市場の大衆化
■2006
地方の活力を問う/日はまた昇る/建築の自然化とアート化
ゲーテッド・コミュニティー/都市景観と高さについて道州制への期待
ライフスタイルを変える建築/エレベーター事故からの教訓
建築は誰がつくるのか/駅舎再生の課題/建築素材考-溺愛の構造
都市ではなく街を見直そう/耐震強度偽装事件に問われているもの
コンペティションの時代を生きる/らしさの継承は可能か
PFI事業の建築は成り立っているのか/日本のパブリックアートを展望する
■2007
崩壊する地域社会/流動性という建築表現/言葉と建築
世界で最も有名な建築家/新しい大衆文化の登場/シカゴ・シカゴ・シカゴ
建築が見えなくなる/シーリング材乱用する建築の是非/建築に愛着をもつ
いま建築家に問われること/高層建築再考/ル・コルビュジェ展
ループ化された世界の中の建築/後藤新平の構想力/家具という器
建築デザイン(アルゴリズム)の可能性/アガ・カーン建築賞
音楽の楽しさと建築/企業をデザインする
■2008
中産階級の喪失と都市/集住という幻想と現実/民間設計コンペ事情
外資規制空港整備/シンプルなこと複雑なこと廃校舎の再生と価値のコンテクスト
プリミティブな空間原理/水資源のマネジメント/五感を教育する
著者:細田雅春
出版社:日刊建設通信新聞社
サイズ:A5
ページ数:210
発行年:2008.07
