内藤廣+石元泰博 空間との対話
本書は1992年から2001年の10年間に写真家・石本泰博によって撮影され、内藤事務所の自費刊行物として出版されていた4作品の写真集を一冊にまとめたもの。
建築写真『桂離宮』『伊勢神宮』で世界的にも高い評価を得ていた石元であるが、没年である2012年、神奈川県立近代美術館鎌倉館での個展「桂離宮」をはじめとして4つの個展が開催され、没後にも評価がさらに高くなっている。
石元は70歳代に、建築家・内藤廣の作品4点を精力的に撮影した。依頼主のある写真のほとんどを建築家に無償で引き渡していたという石元だが、内藤は石元写真の歴史的な意味を顧慮し、カラーではなく、石元自身の手による白黒紙焼きを強く希望。また、フィルム、紙焼き、ポラロイドに至るまですべてを保有する例外的な存在である。
本書は、写真と建築の両面で意義が大きい一冊。
■収録作品
『海の博物館』
『安曇野ちひろ美術館』
『牧野富太郎記念館』
『倫理研究所富士高原研修所』
著者:内藤廣、石元泰博
出版社:ADP
サイズ:250×245
ページ数:228
発行年:2013.05
