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視触 多中心・多視点の思考

セール価格 4,070円(税込)

和辻哲郎「風土」、コーリン・ロウ「透明性」、谷崎潤一郎「陰翳礼讃」の3つの古典を批判的に検討するほか、ポーランド派ポスターの草分けヘンリク・トマシェフスキ、昭和期を代表するデザイナー早川良雄等をとりあげ、ロシアアヴァンギャルド、モダニズム建築、現代音楽、さらには冷戦崩壊から今日に至る東欧や中南米の政治状況論まで、現場体験を混じえデザイナーならではの視線をもって思索する書。

■目次

・はじめに 「現在」に生きる姿

I. 視触を通して立ち上がる思考

 視触/「自然」と向き合う中で紡がれる思考

 「HIDDEN JAPAN─自然に潜む日本」

II. 発語し感応する身体

 「裸形の精神」が引き上げる「発語する身体」武満 徹の紐解きから

  空間に感応する身体 ジョン・ケージのチャンス・オペレーションの実践

III.建築と空間と精神

 「音の建築家」の建築 ヤニス・クセナキス

  モダニスム領域への点描法的参加 槇 文彦

  天空から架けられる天幕 鈴木 恂

  バナナの中身としての内部空間

IV. 今を生きる為に

  生きものとしての距離

  ほころび

  中央アメリカの光と影 太陽や星の光が降りそそぐ「周縁」の人々から学ぶもの

V. 再考からの視座

  コーリン・ロウ、ロバート・スラツキー「透明性 虚と実」 再考

  和辻哲郎「風土 人間学的考察」再考

  谷崎潤一郎「陰翳礼讃」再考

VI. 実験精神が拓く創造

  アレクサンドル・ロトチェンコの実験精神

  早川良雄、境界溶融の精神

  「芸術」と「芸術の酵母」を繋ぐヘンリク・トマシェフスキの造形哲学

  爆発的に伝播する、サヴィニャックのユーモアとエスプリ

VII.「現在」を照射する思考と“眼振”から啓発される思考

 現在を照射する鏡としての「仮想境界面」 彫刻、そしてインスタレーション

 「眼振」がある事実から この世に静止した視点は存在しない

・あとがき 俯瞰できる眼

著者:矢萩喜従郎

出版社:左右社

サイズ:A5

ページ数:613

発行年:2014.03