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北京再造 古都の命運と建築家梁思成

セール価格 2,750円(税込)

戊戌の変法の指導者のひとり梁啓超の長男として日本で生まれた梁思成は、1950年代、元・明・清と引き継がれてきた古都北京を保存する都市計画プランを提出した。しかし、このプランは採用されず、再び脚光を浴びることになったのは、北京五輪を控えて、北京の再開発をめぐる論争が繰り広げられた時期である。戦時下、米軍に対し京都と奈良を保護するように提案したという梁思成の逸話にも触れながら、著者は、現代における文化財保護、都市計画のありようを問いかける。

■目次

・作者の言葉-日本語版序

・前言

・第一章 古都をはかりにかける

 北京を改造する

 取り壊しと保存のはざまで

 北京は遷都を迫られ得るか

・第二章 都市の造営をめぐる論議

 意見の分かれ目

 礼讃された都市

 朱自清は救いの手を差のべず

 北平古建築地図

 消費都市を生産都市へ変える

・第三章 梁陳プラン

 チャーリー・チェン

 新しい市街区を計画する

 ソ連の専門家との腕比べ

 行政中心区の位置の提案

・第四章 紛糾する論争

 手ごわい相手との遭遇

 城郭の保存をめぐる討論

 不成功に終わった弁明

 都市計画の草案を作成する

 新しい家はどこに建てたのか

・第五章 「大屋根」論争

 張開済の二回の自己批判

 中国の伝統とモダニズム

 退いて次善を求める

 「浪費」をやっつけろ

・第六章 名匠の惑い

 長安左門と長安右門の取り壊し

 呉晗からの攻撃

 大院が小さな天下に

・第七章 読書人の気概

 「百科斉放、百家争鳴」における弁明

 早春の後の嵐

 名だたる二人の反対派

 「陳華連盟」

 「かたき」同士の二人

・第八章 青写真のお目見え

 全体図の完成

 城壁撤去の動き

 実施されなかった故宮改築計画

 行政の中心が旧城内に

 都市人民公社

・第九章 新と旧の決裂

 「大通り」をめぐる争い

 城壁の最期

 パリ滞在中のつらい日々

 答えがみつからない

・第十章 余韻去り難し

 惜しまれる人

 解けないしこり

・今の北京を過去に探る-訳者後記

著者:王軍、多田麻美

出版社:集広舎

サイズ:B5

ページ数:418

発行年:2008.11