
革命と住宅
革命は「家」を否定する。
社会主義の理念を実体化すべく生み出された、ソビエト/ロシアの建築の数々。しかしその実態は当初の計画からかけ離れ、狭小で劣悪な住宅環境と、建てられることのない紙上の「亡霊建築」に分離していく。理想と現実に引き裂かれた建築から見える、大国ロシアが抱える矛盾とはなにか。そしてそこで生きる人びとの姿はどのようなものだったのか。webゲンロンの人気連載「亡霊建築論」と「革命と住宅」が大幅な加筆のうえ一冊に。
■目次
・はじめに ソ連建築の二つの相
・革命と住宅
ドム・コムーナ 社会主義的住まいの実験
コムナルカ 社会主義住宅のリアル
スターリン住宅 新しい階級の出現とエリートのための家
フルシチョーフカ ソ連型団地の登場
ブレジネフカ ソ連型団地の成熟と、社会主義住宅最後の実験
・亡命建築論
ロシア構成主義建築とアンビルトのプログラム
ソ連映画のなかの建築、あるいは白昼の亡霊
スターリンのソヴィエト宮殿、あるいは増殖する亡霊
フルシチョフのソヴィエト宮殿、あるいは透明なガラスの不透明性について
ブロツキーとウトキンの建築博物館、あるいは建築の墓所
ガラスのユートピアとその亡霊
著者:本田晃子
出版社:ゲンロン
サイズ:四六
ページ数:346
発行年:2023.10