
ダイアローグ <危機>の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄
社会の危機に対して、建築に何が可能か。日本を代表する3人の建築家に対し、今日の若手建築家・研究者らが1970年代から90年代の建築的革新について問う。それは「ポストモダニズム」の再考でもある。
長谷川逸子は多様な他者との対話や協働を経て公共建築「藤沢市湘南台文化センター」をつくり上げ、原広司は世界の集落調査から普遍性を見出し、「梅田スカイビル」「京都駅ビル」で壮大な構想を実現させ、伊東豊雄は「中野本町の家」から「シルバーハット」の間に、消費社会へと接続可能な建築デザインを探究した。
世界の現代建築をリードする先駆者たちは、それぞれの[危機]にもがくなかで糸口を見出していく。
建築アーカイブ資料の調査と多面的なダイアローグによって歴史を読み直し、現在への学びを引き出す試みをドキュメントした。カナダ建築センター(CCA)によるプロジェクト「Meanwhile in Japan」のオリジナル言語版。millegraphとCCAの共同発行。
■目次
・長谷川逸子
アーカイブ資料
序 表舞台を通り抜け、舞台裏に分け入る ジョヴァンナ・ボラージ
ダイアローグ
論考 長谷川逸子の発した問い 「藤沢市湘南台文化センター」をめぐって 門脇耕三
論考 いかに世界に触れ、他者と関わるか 連勇太朗
・原広司
アーカイブ資料
序 建築と社会をめぐるダイアローグ アルベール・フェレ
ダイアローグ
論考 近代の空間に穴を穿つ 原広司の建築と思索 若林幹夫
論考 物語を設計し、想像力を奪還する 連勇太朗
・伊東豊雄
アーカイブ資料
序 危機からの反発 太田佳代子
ダイアローグ
論考 戦後日本社会における建築家の疎外と再接続 伊東豊雄の「商品化住宅研究会」をめぐって 市川紘司
論考 リアリティでつくる、ひらかれた建築 連勇太朗
著者:長谷川逸子、原広司、伊東豊雄
出版社:millegraph
サイズ:A5
ページ数:326
発行年:2025.04