国立代々木競技場 未来への継承
国立代々木競技場は、戦後復興のシンボルであり、1964年の東京オリンピックの会場として、また世界屈指の名建築として広く知られている。それは、丹下健三(建築)、坪井善勝(構造)、井上宇市(設備)の協働、そして奇跡とも言われる短期間の建設によって実現した。
本書は、当初の設計や建設工事だけではなく、その後の数々の大規模な補修、冷房化工事、耐震補強など、60年にわたる「維持保全」と「改修」に焦点を当てる。清水建設、大林組、三機工業という三社の技術者たちの貴重な証言を収録。
また、未来へと継承し、世界遺産登録を目指すうえで、グローバルな視野をもって近現代建築の生きた活用のあり方を探る。
■目次
・国立代々木競技場 1963–2020:建設と維持保全
国立代々木競技場という奇跡 隈研吾
歴史的・文化的価値の再認識 芦立訓
国立代々木競技場──生き続ける建築の力 丹下憲孝
・I 意匠・構造・設備から見た国立代々木競技場
国立屋内総合競技場の設計をかえりみて 丹下健三
代々木競技場第一体育館の構造設計──六つの問題と解決経緯 川口衞
国立代々木競技場の構造計画 川口健一
国立代々木競技場と設備デザイン 長谷見雄二
・II 施工と改修から見た国立代々木競技場
国立代々木競技場の建設と維持保全 宮本洋一
1977年の初の調査、屋根メンテナンスの必要性 近藤照夫
第一体育館メインケーブルの調査と評価 貞広修
2011年竣工の大屋根塗装工事と2019年竣工の耐震改修工事について 毛利元康
アスベスト除去工事、天井更新、メインケーブルの調査 外立健治・佐藤勉・安武和浩・有薗祐介
2020年竣工の第二体育館改修工事 内田聡・石垣暢千・流合大将
2000年竣工の冷房化工事について 吉田友夫
2000年の冷房化工事の検証 飯嶋和明
2003年の消火栓配管更新工事について 荒井貴史
2005年の食堂空調更新工事について 大沼洋公
2009年の温熱源更新工事 大田黒剛
2010年第二体育館の冷凍機更新など 森大和
2014年の濾過設備更新工事について 藤原英治・庄司誠人
2020年の設備更新 井戸川直矢・垣内雅光・丸谷拓也
・III 世界文化遺産と20世紀遺産
世界遺産における近現代建築 河野俊行
20世紀のリビング・ヘリテージ:シドニー・オペラハウス シェリダン・バーク
グローバルな文脈における国立代々木競技場 ケン・タダシ・オオシマ
リビング・ヘリテージをめぐって 河野俊行×シェリダン・バーク×ケン・タダシ・オオシマ×山名善之
使われ続け、愛され続けるために 宮本洋一×大林剛郎×長谷川勉×隈研吾×深尾精一
著者:一般社団法人国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会
出版社:millegraph
サイズ:B5変
ページ数:212
発行年:2026.04
